2026年5月23日(土)、京都教育大学において京都支部主催の第1回資格研修会を開催しました。当日は、京都少年鑑別所 医務課長の 定本ゆきこ氏を講師としてお迎えしました。定本氏は、長年にわたり少年鑑別所で非行少年の鑑別、精神科診断、治療に従事し、非行臨床の最前線で実践を積んでこられた専門家です。また、精神科クリニックでは外来診療を担当し、発達障害や性被害を中心としたトラウマ臨床にも継続して取り組んでおられます。豊富な臨床経験と幅広い視点に基づくご講義は、参加者にとって大変示唆に富むものでした。
研修テーマは「非行臨床の現場から人としての発達を考える」。前半では非行とは何か、そして予防や再犯防止のために必要な介入についてお話しいただきました。定本氏は「非行とは社会との関係の取り方の一つの失敗の形であり、背景にある環境要因と少年自身の資質を正確に見極めることが行動改善の第一歩である」と述べられました。また、ライフステージごとの発達を支える大人の関わりについても解説され、特に思春期の心の特徴や、依存と反発を受け止めてくれる大人の不在が非行に影響することを学びました。
後半では、非行臨床から見える子どもの性被害・性加害の実態についてお話しいただきました。性加害少年の認知の特徴、女子非行少年の多くが被虐待や性被害経験を有し、保護環境が脆弱であることなど、現場で得られた重要な知見が示されました。子ども時代の性被害が長期的な傷となり、その後の人生を困難にすること、そして学校が「予防する、守る、見つける、つなぐ、治療する、教育する」という役割を担う重要性を再確認する機会となりました。
終了後のアンケートでは、「性被害・性加害について学ぶ機会が少なかったため非常に参考になった」「食事と睡眠といった生活リズムを作り、暗黙の了解とされがちな身体と心についての包括的な教育などを通して、大人が子どもの成長を愛情をもって支える大切さを再確認できた」「社会として支える仕組みを整えて親を楽にすることが、子どもを救う道であるという言葉が心に残った」などの声が寄せられました。
京都支部では、第2回研修会として事例検討を11月または12月に開催予定です。詳細が決まり次第、改めてご案内いたします。今後も役員一同、実りある研修会を企画してまいります。
