2月16日に京都ノートルダム女子大学において,京都支部主催2019年度第4回資格更新研修会を開催いたしました。

テーマ:「感覚プロファイルを用いた感覚処理のアセスメント」

講 師:教授・医学博士 岩永 竜一郎先生 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科  医療科学専攻リハビリテーション科学講座精神障害リハビリテーション分野  長崎大学医学部保健学科作業療法学専攻 長崎大学子どもの心と医療・教育センター(副センター長)

感覚刺激に対する反応の偏りが自閉スペクトラム症(ASD)児の80%以上にみられます(Gomes et ai,2008;Marco et al,2011)。また,ASDの人の信頼性のある自叙伝全てに感覚の問題が記載されています。このように,感覚の問題は,例えば「シャワーは痛いけれど,他の人もみんな痛いのを我慢していると思っていた。」「まぶしいのは当たり前と思っていた。」「蛍光灯の1秒間に60回の高速点滅が原因で頭痛がする。このため教室に入れない。」など,生きづらさにつながっています。そこで,感覚プロファイルを用いた感覚処理のアセスメントを行い,正しく解釈し,それに基づく支援方法を導き出すことは,今後の特別支援教育にも非常に重要なことです。

午前中は,「感覚についての理論」と「感覚プロファイルの基本事項」についてご講義頂きました。感覚刺激への反応の様式,過反応,低反応,感覚探求,感覚処理の問題の理解,感覚プロファイルの種類,回答方法,スコアについてなどを学びました。また,感覚面のアセスメントは,観察と標準化された検査の両方が必要であることも学びました。午前の終わりには,実際に保護者(観察者)用質問票に各自がすべての項目にチェックすることで,内容の理解を深めることができました。午後は,沢山の事例を通して感覚プロファイルのスコアリングから解釈,そして報告内容や映像による具体的な支援方法までを学びました。 大変意義のある研修会となりました。