2022年度 京都支部主催 第1回資格更新WEB研修会「初期のことばの発達とその基盤」実施ご報告

2022年度、京都支部主催の第1回資格更新研修会は、2022年4月24日(日)に、島根大学教授の村瀬俊樹先生をお招きし、WEB上で無事開催しましたことをご報告します。
今回は、京都支部主催のWEB研修としては初めて、50名限定で他支部の方にも参加いただくことになりました。ことばの発達の基盤を学ぶ研修が、多くの臨床発達心理士の資質向上に資すると期待されたからです。予定していた他支部枠は申し込み開始から1日半で定員数に達しました。そして、京都支部会員からは多数の申し込みがあり、当日は大変多くの人々がZoomミーティングに参加されました。
講師の村瀬先生は、子どもの言語獲得の基礎研究者として、日米の比較研究のプロジェクトにも精力的に参加され、長年「社会文化的環境における子どもの語彙獲得」について、内外で著書・論文を発表されてこられた方です。
今回の研修では、主に0歳代から2歳代の定型発達児に関する、近年のことばの発達研究の紹介を通じて、(1)ことばを話し始める前・話し始めの頃に、どのような力が育っていることが ことばの発達をささえているのか、(2)初期のことばの意味獲得には、どのような過程が働いているのか、(3)子どもを取り巻く人々の話しかけは子どものことばの発達とどのように関わっているのかについて、大変丁寧に分かりやすく語っていただきました。
参加者の方から寄せられた感想には、「ことばの発達の基礎的な過程への理解が深まった」ことに加えて、「ことばの発達の支援を行う上で役立つ」ことを実感された記述が多くありました。そして「相談されてきた親御さんに今まで伝えてきたことの根拠を知ることができた」というご意見もいただきました。
現場で実践されている支援のエビデンスが、基礎研究の中でどのように見出されているかについて知ることは、今後現場での支援を行う上での大きな力になると思われます。これからも、こうした最新の基礎研究と現場で行われる支援との間をつなぐような研修を企画していくよう努めてまいりたいと思います。また、参加された他支部会員の皆様からも、多くの感謝のコメントをいただき、恐縮しております。
次回の京都支部主催研修会は、2022年9月11日(日)に、平安女学院大学の清水里美先生をお迎えして、「新版K式発達検査の理解と活用―事例をもとに―」というテーマで、予定しております。
準備が整いましたら、HP等でご連絡いたします。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。